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事例

2021.08.31

活用しやすく管理も手軽なChromebook ™で、子どもたちが「考えること」に時間を使えるように

目次

【背景】使いやすくリーズナブルなChromebook ™を、大量導入

「ICT教育の推進」はもともと、さくら市市長の公約のひとつだったと言います。
さくら市が掲げる小中一貫教育では、生徒たちの「表現力」を養うことを大切にしてきました。表現力のもとになるのは、読解力。多様な資料の中から必要な情報を拾い上げ、自分の考えを構築していく力です。そして、これからの時代に情報を取捨選択するとき、インターネットは欠かせません。ICT教育の推進が、子どもたちの情報活用力や読解力を磨き、その先にあるさまざまな表現につながっていくのです。

そんな理念に基づいて、じっくりと進めていく予定だったICT化。リコージャパンにご相談もいただきながら、具体的な計画を詰めていました。そこに、2019年末のGIGAスクール構想によって補助金が決まり、プロジェクトは加速。2020年9月には1,500台、2021年2月には2,546台と、Chromebook ™の大量導入が実現しました。

導入機器にChromebook ™を選んだ理由を、さくら市教育委員会学校教育課の永井様はこう話します。
ポイントは、一台あたりの費用を抑えることと、安定した使い勝手を守ることでした。これまで学校で使っていたWindows ®では、半年ごとの大型アップデートが必要だったり、運用にサーバーが必要だったりと、継続的な管理コストがかかります。でも、Chromebook ™ならクラウド上でかなり細かい管理ができるうえ、初期費用もリーズナブル。活用中のトラブルが少なく済むと考えました」

【状況/効果】シンプルなルールを策定して、スムーズな導入を実現する

導入後はまず、各学校から2名の先生に参加してもらい、Google ™ 社のキックスタートプログラムを受講。現場の手間を省くさまざまなルールも、教育委員会で設定しました。

「たとえば、一般的なログインアカウントには、ローマ字や数字を組み合わせます。でも、低学年の子どもたちが、習っていないローマ字を使うのは難しい。手軽にログインできないと、授業を始める手前のところで時間がかかってしまうのです。そうした日常的な部分の設定は、教育委員会が旗を振って、なるべくシンプルなルールを決めておく。それだけで、現場の使い勝手が変わります。

パソコンの充電一つとっても同じです。初めて導入されたパソコンは、置き場所も、どこでどうやって充電するかも定まっていません。それらをすべて学校側に決めてもらうのは、現場の負担になってしまいます。GIGAスクール構想では『充電保管庫を作る』という提案がされていますが、いちいち保管庫に収納するのはなかなかの手間。たくさんのパソコンを縦に詰められるコンテナを導入して、その中で電源タップに接続すれば、ぐっと簡単に充電できます。リコージャパンさんの協力で、充電用のコンテナも大量納品してもらいました。

機器の導入時にはある程度避けられない初期不良にも、リコージャパンのサポートが役立ちましたね。最初の数ヶ月はタッチパネルやWi-Fi接続の不良がいくつかあり、そのたびに修理対応やメーカーへの送付代行をしてもらいました」

また、さくら市のある学校では、2018年にiPadを125台導入しており、タブレット授業の実験を進めていました。そのときの経験は、今回のChromebook ™導入でも役立てられたと言います。

「iPadで授業を進める際、学習支援ソフトの『ロイロノート・スクール』がとても便利でした。さまざまな教科の学習活動をうまくサポートしてくれたので、今回のChromebook ™にも同じアプリを導入。そのほか、各校の情報主任にも、きめ細かな情報提供を心がけました。Chrome ™を初めて扱う先生もいましたが、便利なツールや連携のおかげで、スムーズに使い始められたと思います」

授業だけでなく、集会などにも幅広く活用されている

具体的な導入事例は、各学校のブログなどでも発信されていました。

たとえば熟田小学校では、5年生の理科の授業で活用。エンドウ豆の発芽から生長の様子をChromebook ™で撮影し、その画像を見ながら観察記録を作成しました。生長の過程を写真で見ることができ、授業がぐっとわかりやすくなったようです。

ある学校の体育の授業では、体操などの動作を録画。その映像をロイロノートでスロー再生し、自身のフォームをチェックして改善につなげるなど、実技にもうまくICTを取り入れています。

押上小学校では授業のほか、登校班会議でも有意義に活用されていました。これまでの登校班会議は、子どもたちがランチルームに集合して実施。しかし、大規模改修工事に伴ってランチルームが使えないため、Chromebook ™を使ったアンケートなどを通じて、オンラインで会議が開かれたのです。子どもたちはパソコンを見ながら、真剣な表情で先生の話を聞き、登校時の行動について考えをめぐらせていました。

物理的に集まることが難しいいま、Chromebook ™を通じてオンラインで集会ができるのは、大きなメリットです。教室の大型提示装置と組み合わせれば、映像の見やすさなども遜色ありません。『コロナ禍で発表会が中止になったけれど、子どもたちが練習してきた成果を発表させてあげたい』といったニーズにも、せめてのオンラインというかたちで、少しずつ応えられるようになってきています。

最初のうちは『一人一台のパソコン』という新たな環境に戸惑いも見られましたが、使い始めてみればその利便性は大きく、現場でそれぞれに活用方法を考えてくださるようになりました。もともとデジタルに強い先生が率先してチャレンジし、その内容が他にも広まっていくなど、横の連携もたくさん見られます。教育委員会の想定以上に、さまざまな場面で活用されている印象です」

【今後の展望】持ち帰り活用やメンテナンスは課題。でも、子どもが思考を深める時間は確実に増えている。

導入から1年が経ち、少しずつ持ち帰りでの活用も増えてきています。夏休みには、本格的な家庭学習に取り入れていく計画もあるようです。

「持ち帰り活用にあたって、公立学校で大きな課題となるのは、家庭のWi-Fi環境です。国はモバイルルーター貸し出しなどの対応をしていますが、さくら市ではコロナ禍に入り、図書館や公民館といった公共施設のWi-Fiを整備済み。家のネットワーク環境が良くない子どもには、そうした施設でパソコンを使ってもらうようにしています。管理・監督の問題はありますが、今も試行錯誤しつつ、ベストな方法を検討しているところです。

学校にいるときはフィルタリングもかけられますが、デジタルシチズンシップ教育も大切なポイント。パソコンが必須の文房具になりつつあるいま、ネットモラルは低学年のうちから必要になってきます。一人一台環境になり、学校で使い方を学んでいけるのは、いいことだと感じますね。

また、機器のメンテナンスも課題です。今回は補助金も使えたために一括導入が叶いましたが、子どもが使うものなので、物理的な破損はそれなりに発生してしまいますし、バッテリーも何年持つかはわかりません」

課題はあるものの、ICT教育の効果も感じるなかで、今後の可能性に期待はふくらみます。

「いままでも『主体的・対話的な学習』のために、子どもたちが意見を発表するような授業にはたくさん取り組んできました。でも、付箋に意見を書いて、模造紙に貼って、発表をして……という作業をしていると、授業時間はあっという間に過ぎてしまう。そこにパソコンが入ってくることで、意見をまとめたり共有したりする手間が大きく省かれ、最も大切な『深く考えること』に時間を使えるようになってきました。さまざまな学校から、そんな実感が聞こえてきています」

こうした授業の充実を支えていくためには、安定して便利に使えるICT機器が必須。Chromebook ™は海外メーカー製が多いため、保守・サポートに手間がかかるケースもあるでしょう。そんなさまざまな問題にも寄り添いながら、リコージャパンはこれからも、ICT教育の推進に力を入れてまいります。

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