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事例

2021.08.31

さまざまな障がいのある子どもたちがリアルに感じ、チャレンジしやすい授業をつくる

目次

【背景】障がいのある児童・生徒たちにも、ICTを活用した授業で深い学びを

県立越谷西特別支援学校には、知的障がいのある小学生から高校生までの約230名が学んでいます。2020年から実施された新学習指導要領に合わせて、ICTを活用した授業づくりは欠かせない課題。特別支援学校においても、状況は同じです。リコージャパンに実証のご相談をくださったのは、そうした悩みを抱える埼玉県特別支援教育課様でした。

【状況/効果】超短焦点プロジェクターで、教室をリアルな「電車」に変身

県立越谷西特別支援学校の小学部では、自閉症スペクトラムやダウン症、難治性てんかんなどを併せ有している小学部1・2年生4名のクラスで、ICT活用授業を実施しました。どの児童たちも、目の前のモノや活動に集中し続けることが難しく、⾃分から他者に要求を伝えることが少ないという特性を持っています。そこで検討されたのは、簡単なルールがある遊びを通して、⾒る⼒や伝える⼒を養う国語の授業でした。

「電車に乗りたい」と意思表示をしてみよう

まずは、先生が絵本「がたんごとん がたんごとん」を読み聞かせ。車掌に扮した別の先生が、廊下から小さな木製の電車を引いて走ってきます。そのとき、iPhoneからは「ガタンゴトン、ガタンゴトン」というリアルな効果音を再生していました。
電車に乗りたい場合は、車掌役の先生に「車掌さん、電車に乗りたいです」と伝えるルール。発声が困難だったり、四肢が不自由だったりする児童たちですが、自分なりのやり方で一生懸命に乗車の意志を伝えていました。

電車に乗る体験をしてみよう

次に、バーチャル電車に乗る体験を実施しました。教室の前方と左右に、3面の超短焦点プロジェクターを設置。「コの字」型の空間に対して、それぞれの車窓から見える駅のホームや住宅地、風景などの動画を、臨場感たっぷりに映しました。木製電車に乗り込んだ児童たちは、スクリーンで生み出されたバーチャル電車の世界にくぎ付けになっていました。

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担任の佐竹先生は、超短焦点プロジェクターの利点をこのように語りました。
「設置が簡単なので、短い時間で準備ができ、リアルな疑似電車空間が作れました。設備は壁際に寄せておけるため、子どもたちの邪魔にもなりません。もっと上級生になったら、今度は駅までの道のりや切符売り場、改札などの画像を360度カメラのTHETAで撮影して、本物の電車に乗るための事前学習に利用したいです」

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小林校長は「コミュニケーションが難しい子どもたちの興味関心を引き出すために、ICT機器は非常に効果的。普段の教室が電車に変わる様子は、とてもインパクトがあったと思います。ただ模型に乗るだけでは、実際の電車には結びつかない。画像や映像を見ながらの疑似体験には、これからも可能性を感じます」と振り返ります。

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中高生のクラスでは、発表授業でiPadを活用

卒業を控えた中学部3年生は、知的障がいやダウン症、自閉症と診断されている男子6名のクラスです。生活の授業で、一年間の思い出を振り返って、クラスメイトや家族、先生たちに感謝を伝える動画を作成することになりました。
まずは、iPadで先生からのプレゼン。イラストや効果音を駆使して、生徒たちの集中を持続させます。その後、これまでに撮影した素材を編集する人、タイトルを作成する人、音楽を編集する人の3チームに分かれ、それぞれにiPadで作業を進行。最後には各データを1本の動画にまとめ、皆うれしそうに鑑賞していました。

高等部2年生の授業には、知的障がいや自閉症、睡眠障害、四肢麻痺などの男女6名が参加しました。学校を紹介するビデオを作成する、社会の授業です。
行事や部活動のPRポイントを考え、写真を投影した画面に合わせてナレーションを読み上げていきます。最後にはその様子をiPadで録画し、お互いに鑑賞して、意見を出し合いました。この動画は、新入生歓迎会や学校説明会などでも上映し、校内で自由に見られるようにしています。

3Dプリンターで育む発想力・創造力

さらに2019年には3Dプリンターがプログラミング学習の一環で導入されました。児童・生徒たちが成果物を作成するだけでなく、教具などの作成にも活かされています。

小林校長は、3Dプリンターについてこのように話されます。「プログラミング授業に興味を持って取り組んでいる子もいるなか、自分で作ったプログラムが形になるとモチベーションが上がり、次の発想にもつながっています。何度も作り直しできるような材料があれば、さらに使い勝手がよくなるでしょう」(小林校長)

【今後の展望】 支援が必要な子どもたちにこそ、ICT活用は効果的。それぞれの障がいや現場の状況に合わせて、使い方を考えていく。

導入後には、埼玉県の特別支援教育課やリコージャパンを含め、現場の先生方と意見交換会を実施。教育指導や機材改善など、お互いに専門的な視点でのアドバイスを交わしあい、今後の充実に努めています。

埼玉県特別支援教育課の佐藤指導主事は、特別支援学校でのICT活用について、このように分析します。
子どもの興味関心を引き、わかりやすい授業をするには、やはりICTが効果的です。アナログでもできるけれど時間がかかっていたことを、効率的に実現できます。ただ、特別支援学校ではとくに、子どもの実態に合わせた活用方法を検討していかなければなりません。知的障がいや視覚・聴覚障がいなど、障がいによって補うべき部分はさまざま。子どもたちに合った整備をじっくりと考えながら、徐々に浸透を図っていきたいと思います。

今回リコージャパンと連携をして、情報交換のありがたさを実感しました。企業にできること・できないことを聞いたうえで、こちらのニーズや使い方を知ってもらうことで、新たな提案にもつながる。機器をただ借りるだけでなく、実際に学校に来て現場と関わってもらい、効果・検証を一緒にしていくことがとても有益だと感じました

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リコージャパンの扱う商品は、多種多様。だからこそ、児童・生徒や教職員の方々がどんなICT機器をどうすれば効果的に活用し、深い学びができるかを真摯に考える必要があります。お客様のお話を伺いながら、最適な商品や活用をともに考えていくのが、リコージャパンの役割であると捉えています。

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本体背面から投写面まで11.7cm の超至近投影で質量約3.0kgの軽量設計。 縦置き省スペース設置を実現する3.600lm のコンバクトな超短焦点プロジェクター。

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