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事例

2021.10.29

一人一台のiPadが、子どもの意欲と協働的な学びを深めてくれた

目次

【背景】子ども主体の機器選び。直感的に操作しやすいiPadを導入。

常葉大学教育学部附属橘小学校は、創立44年の私立小学校です。開校当時よりICT教育に力を入れており、小学校一年生からWindowsの基本操作やプログラミング、情報リテラシーなどを教えていました。そこにGIGAスクール構想が立ち上がり、連携する常葉大学教育学部の教員養成カリキュラムにおいても、ICTの存在感は強まるばかり。さらなる学びの充実に向けて、環境の整備を決めました。

木宮教頭先生は、機器導入をこのように振り返ります。

「これまでもWindowsタブレットを用いた授業はしていましたが、さらに子どものICT活用能力を育むには、より日常的に機器を使っていかなければなりません。そこで、端末管理がしやすいChromebookも候補に挙がったものの、低学年の子たちでも直感的に操作できるiPadに決めました。もともとは3年計画で進めるつもりでしたが、コロナ禍もあり、予定を前倒して、2020年度に357台の一括導入をしました。」

機器導入にリコージャパンが選ばれた決め手は、2つありました。ひとつは、GIGAスクール構想の機器に欠かせないキーボード。もうひとつは、MDM(モバイルデバイス管理)の進め方です。

「当初はそれぞれのiPadに有線キーボードを付ける想定でしたが、リコージャパンは、キーボード付きの頑丈なカバーを推薦してくれたのです。そのほうが使い勝手がよいので、ありがたかったですね。また、他社が『小学校でやるのは難しいから業者に頼んだほうがいい』と言ったMDMを、校内でできると言ってくれたのも大きな決め手でした。教員向けの講習などを手配していただき、実際に大きな問題なく進められています。」(木宮教頭先生)

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【状況/効果】一人一台端末によって、子どもたちが学びへの意欲を高めている。

・教員と保護者の下準備
実際にiPadを子どもたちが使えるまでに、学校側が準備しなければならないことは少なくありません。そこで橘小学校では、休校にして「端末整備日」を設けました。MDM講習会や使用ルールの取り決め、iPadへの名前シール貼りといった作業をまとめて、集中的にやりきったのです。

「一人ひとりに貸与するiPadとはいえ学校の備品なので、今年の6年生の分は翌年の新入学生が使うことになります。だからいたずらなどをせず大切に扱ってもらえるよう、細かなルールを決めていきました。たとえば『両手で持ちましょう』『遊びには使いません』『登校したら充電庫から取り出し、自分の机の中に入れましょう』など、いずれも基本的なことです。ただし、ふたを開けてみればさまざまな心配事は杞憂に終わり、子どもたちのほうこそ上手に使いこなしてくれている印象ですね。」(木宮教頭先生)

また、保護者からの協力を得ることも大切です。個人情報の保護や不適切な使い方への注意、取り扱いについてなどの情報をまとめ、保護者向けの同意書も作成しました。まだ小さな子どもたちが使うものだからこそ、周りの大人たちがきちんと目を向ける必要があると判断したためです。

「そうした準備を整えて、子どもたち一人ひとりにiPadを手渡していくと、自然と拍手が起きたのです。半数くらいの子どもたちは家庭ですでに使っているし、目新しい製品ではないのですが、それでも『自分のiPadが来た!』という喜びは、とても大きかったようです。」(木宮教頭先生)

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・授業や学級活動で、子どもたちの意欲を刺激する
橘小学校では、子どもたちの机に教科書とノート、筆箱、iPadが並んでいるのが当たり前です。教科書についているQRコードを読み取って、誌面よりも踏み込んだ情報をチェックしたり、英語の発音を確認したりするのも、新しい学習のスタンダードになりつつあります。iPadなくしては成り立たない授業もあるようです。

たとえば家庭科で玉結びを習うとき、これまでは先生が教壇でお手本を見せていました。いまは先生のお手本動画を配信するため、子どもたちは手元のiPadでゆっくり再生しながら、自分のペースで練習することが可能です。

iPadは、子どもたちの学ぶ姿勢に大きな影響を与えていると感じます。たとえば、国語で『教科書の音読を3回』といった宿題が出た場合、これまではなんとなく回数をこなすだけになりがちでした。でも『一番上手に読めた動画を提出してください』とするだけで、登場人物になりきって物語文を読むなど、宿題に取り組む姿勢がぐっと意欲的になりました。
また、興味深かったのは図工ですね。これまで作品の制作後はただ展示するだけで終わっていたところ、自身がこだわったポイントを写真に撮ってプレゼンする工程を挟むことで、友達の作品を見る視点がクリアになりました。多くの授業で、ICTによって目的意識がはっきりするために、充実度が増していると感じます。」(木宮教頭先生)

また、これまで教師主導だった学級活動や児童会活動も、iPadの導入により、子どもたちが自分事として進めるようになってきています。会のときにはアプリ『ロイロノート・スクール』で意見を集約して、瞬時に統計を取り、そのまま資料まで制作が可能。紙ベースでやっていた作業が減り、考えることに時間を当てられるようになったためか、子どもたち主体の意見交換も多くみられます。

「大きなキーになっているのは、やはり『一人一台端末』でしょう。これまでも一台の端末を5人くらいで使う機会はあったのですが、お互いに遠慮したり、操作の得意な子が中心になってしまったりしていました。でも、便利な機器を一人で使えるようになったことで、学びが深まり、さらなる意欲がわいてくる。操作が苦手な子もいるけれど、できる子が自然とフォローしていたりして、それはそれでコミュニケーションの機会になっていると感じます」(木宮教頭先生)

さらなる学びの充実を求めて、夏には65インチの大型ディスプレイも導入。iPadの画面を大型モニターで共有できるようになれば、同じ画面を見るときに子どもたちの視線が上がります。そうすれば、協働的な学びがより活発化するだろうという狙いです。
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・将来的なペーパーレス化も見越して
iPadを活かした授業の方法や教材は、教員間でも共有フォルダで情報交換されています。複合機でスキャンした文書を「ロイロノート・スクール」に取り込んだり、iPadで撮影した写真を複合機でプリントしたり、といった機器連携もなされてきました。忙しい授業の合間で進めていくには課題もありますが、この波に乗って職員室のペーパーレス化に取り組みたい、という思いも強まっているそうです。

【今後の展望】「I(いつも)C(ちょっと)T(つかう)」とアナログをうまく組み合わせて、子どもの関心と感性を伸ばす学習を。

橘小学校はICT導入にあたり、校内で「I(いつも)C(ちょっと)T(つかう)」というキャッチコピーを定めました。このコピーが大きな効果を発揮。さまざまな場面で、iPadを気軽に取り入れる姿勢が構築できました。子どもも教員も面白がって、新しい使い方をどんどん考えていく空気が生まれています。

「いままではどうしても、教員が主体となって子どもたちを引っ張っていくような授業が少なくありませんでした。でも、iPadを導入してからは、子どもたちが主体的に情報を取りに行けるようになり、協働的に意欲を持って学ぶ場面が増えています。ただ、教員たちにとってICT機器は、まだ少し馴染みが薄いアイテム。だからこそ研修発表会などで、iPadを活用した授業の現場をどんどん伝えていきたいですね」(木宮教頭先生)

また、なんでも便利にできる一方で、木宮教頭先生が気にしているのは「子どもたちの心で感じる喜びを大切にすること」です。

「大人もそうですが、ネットで検索した情報をまとめて資料を作ると、なんとなく“やった気”になってしまいますよね。子どもたちにとっては、あさがおの観察などもそう。いまはあさがおが咲いたら、写真を撮ってデジタルの観察日記をつくります。とてもきれいな出来栄えだけど、昔のように一生懸命スケッチしたほうが、五感であさがおの成長を理解できるようにも思います。そうした心で感じる喜びこそ、小さな子どものころに大切にすべき経験なのかもしれません。ですから、昔ながらのやり方を大切にする機会も作りつつ、ハイブリッドなICT活用を考えていきたいと思います。」(木宮教頭先生)

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