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事例

2022.04.28

【ウィズコロナにおけるICT活用】新たな「学び」を提供するために~デジタル校内配信システムの活用~

目次

ウィズコロナにおけるICT活用

コロナ禍において、環境に適合した形でこれまで以上の学びを提供するために、コロナ以前から導入を検討していたICTの利活用が急速に進みました。そのような中、日章学園高等学校では、生徒たちの家庭におけるインターネット環境がまだ整っておらず、学校側がICTを活用した対応を行うことが必要でした。

校内LANを整備し、デジタル校内配信システムの導入を行ったことで、各教室にさまざまなコンテンツを映像配信できるようになりました。入学希望者の保護者向け説明会などでも、密を作らず運営を行うことができ、学校行事の際も、生徒を体育館に集めることなく実施することが可能となっています。

日章学園高等学校について

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日章学園高等学校は1950年に設立された宮崎県宮崎市にある高等学校で、中高一貫教育を通して、社会に貢献できる人材の育成に取り組んでいます。

大学への進学コースのほか、美容(ヘアーデザイン、エステ)、福祉、調理、コンピュータなど13の学科コースを設けており、実務経験が豊富なプロの指導を受けることができます。また、部活動においては、文科系クラブ、体育系クラブともに熱心に活動を行っています。とくにサッカー部は全国高校サッカー選手権ベスト8などの実績があります。

本取材では日章学園高等学校 情報管理室長の興呂木(こうろぎ)先生にインタビューを実施いたしました。

日章学園高等学校が感じていた課題

日章学園高等学校では、ICTの導入を以前から検討していました。2年前の「コロナ」で学校の閉鎖や授業・行事の縮小が必要となる中、学校としてどのような学びを提供できるのかが喫緊の課題となりました。

「はじめに考えたのは各家庭との協力体制を構築することでした。しかし、各家庭のインターネット環境は整っておらず、常時接続のインターネットの普及率は3割程度しかありませんでした。各家庭に協力を要請することは難しいと判断し、学校でできることはないかと考えました。」(興呂木先生)

そこで、学校行事や授業をコロナ以前と同じように行うために、映像配信システムの活用を考えました。そのためには、映像配信に必要な校内LANを新たに整備する必要がありました。

日章学園高等学校の具体的な取組み内容について

取組み1「ICT導入に必要な校内LANの整備」

最初に着手したのはICTを導入するために必要な「校内LAN(ネットワーク環境)の整備」でした。教職員用のネットワークはすでにありましたが、生徒が使用できるネットワーク環境はコンピューター室にしかありませんでした。各教室に授業や学校行事等の映像を配信するためには、新しいネットワークを整備する必要がありました。

「既存のネットワークと分離して新しいネットワーク(校内LAN)を設計する必要があり、どういった機器構成、ネットワーク設計が必要になるのかをリコージャパンの担当の方に相談しながら環境を構築しました。」(興呂木先生)

取組み2「デジタル校内放送システムの導入」

生徒向け校内LANを各教室に整備したことで、ICT機器導入のための基盤を作ることができました。この基盤を活用し、離れた場所からも映像を配信できるサイレックス社の「デジタル校内配信システム」と、各教室に「受信モニタ」を導入しました。

「デジタル校内配信システムは、予算の都合もあり、ハイスペックなものではなく自分たちの予算に合ったシステムを導入しました。実際に機材を使ってみないと不明な点が多かったこともあり、2種類(6台)導入し、実際に利用し検証したうえで、全ての教室に導入するというステップで考えていました。」(興呂木先生)

最終的に導入したサイレックス社のデジタル校内配信システムは、受信者がリクエストを送らなくても配信者が電源を入れるだけで自動で映像配信が始まる「プッシュ型」となっており、使い勝手が良いことが決め手になりました。

「日章学園高等学校に在籍する職員のICT知識や対応力を3段階に分けると、対応できる者が1割程度、ある程度対応できる者が6割程度、全く対応できない者が3割程度でした。そのため、現実的に運用することを考慮し、複雑な設定などが不要で誰にでも使いやすい「プッシュ型」の機材導入を決めました。」(興呂木先生)

さらに、プッシュ型デジタル校内配信システムの導入理由としては、教室へのリアルタイム配信の際に遅延が発生しづらいという点もありました。「現状では、リコージャパンから提案を受けて導入した機材は、遅延が少なく非常に満足です。」と興呂木先生は語ります。

取組み3「ICT機材の使用を定着させるために」

ICT機材を導入しても取り扱いが難しいと、結果的に使用されなくなってしまいがちです。そこで、日章学園高等学校では教職員にICT機材の取扱いに慣れてもらうことを目的に、全校集会や文化祭、入学式、卒業式などの学校行事のたびに導入した機材を積極的に利用するようにし、ICTを利用することの魅力や利便性を体感してもらうことを意識しました。

「導入した機材を積極的に活用してその魅力に気づいてもらうことで、ICTへの関心を高め、活用を定着させていきました。結果的に、導入が完了していない教室の生徒や職員からも『早く自分たちの教室にも取り入れてほしい』というポジティブな意見が集まるようになりました。」(興呂木先生)

以前は、映像を使った授業を行うために、自前のPCやプロジェクター、ケーブル等を持ち歩いて授業を行っている職員もいました。今回導入した機材は、ボタン1つでネットワーク接続できる点や持ち運びが必要ない点など多くのメリットがあるので、教職員にとっても利用のハードルが低く、積極的な活用に繋がっています。

デジタル校内配信システム導入の効果

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専門学科コースの生徒に実践的な「学び」を提供

日章学園高等学校は主に実業系の高校であり、社会で通用するプロフェッショナルを育成することを学校のコンセプトとしています。各分野の専門家を育成するためには、「実習」など、より一層実践に近い環境での学びが重要となります。

今回、デジタル校内配信システムを導入したことで、コロナの影響で思うように実施できなかった実習についても、実習室と教室をつないでの授業が可能となりました。

また、密を避ける必要があるため、中学生や保護者による学校見学の際にも、他教室に映像配信を行うことで、物理的制約を超えて実習風景を見学することも可能になりました。

生徒や保護者に以前と変わらない「学校行事」を提供

日章学園高等学校では、学校行事を各教室へ映像配信することで移動時の接触を減らし、密を回避して各教室から参加できる仕組みを作りました。例えば、全校集会を配信することで、移動時間が約10〜15分ほど短縮される結果となり、生徒はもちろん、教職員の負担も大幅に軽減されました。

また、コロナ禍においては、以前は行事に参加できるのは生徒のみでしたが、現在は、別室のモニターに学校行事の様子を映像配信することで、保護者も学校行事に参加できるようになりました。

「とくに反響が大きかったのは中学生対象の体験入学です。授業の様子や高校生との交流を映像で確認したり、高校生・教員との意見交換や質問をしたりできるため、保護者の方も納得したうえで入学を決定できます。」(興呂木先生)

さらに、デジタル校内配信システムを導入するために行った校内LANの設置によって、他にもICT活用が進むことになりました。

校内LAN整備の効果

生徒たちの「就職活動」を支援

日章学園高等学校では、卒業後に就職する生徒も多くいます。就職活動がコロナの影響を受け、リモート面接が多くなっている中で、学校で就職対策ができる環境の整備が求められていました。

以前は、図書室のパソコンを使ってリモート面接の対策を行っていましたが、パソコン台数が限られるため、利用には順番待ちの列ができていました。

ネットワーク環境を整備し、様々なICT機材が導入できるようになったことで、各教室で「リモート面接対策」が可能となり、より多くの生徒の就職対策が実施できるようになりました。

普通科の生徒の「学び」を支援

専門学科の生徒だけではなく、普通科の生徒たちにも新たな学びを提供する取組みが進んでいます。

ネットワーク環境が整備されたことをきっかけに、日章学園高等学校ではiPadや学習支援ソフト(ロイロノート)が導入されました。これによって、授業中、生徒たちにプリントを配布する必要がなくなりました。また、さまざまな理由により学校に登校できない生徒に対してiPadを貸し出し、授業にリモート参加してもらうことも可能となりました。

このように、ネットワークが整備されたことをきっかけに、校内全体のICT化が進み、新たなデジタル機器やテクノロジーを積極的に取り入れていこうという機運が高まりました。

本取組みの中でリコージャパンがどのように関わっていたか

教職員は授業や生徒指導などの通常業務で忙しいため、自力で情報収集をしてICTを導入することは非常に難しいものです。近隣の学校などで同じ取り組みをしているケースもありますが、学校によって元々のインターネット環境や導入の目的が異なるため、参考にはなるものの、そのまま全く同じ機材を導入することはできません。

「様々な制約がある中で具体的にどのように取組みを進めたらいいのか、情報が不足しがちな私たちだけでは思いつくことができませんでした」と興呂木先生は振り返ります。

「リコージャパンの担当者からは、本校の課題にあった解決策を一生懸命ご提案頂きました。限られた予算内で目的にあった機材を提案いただけて非常に助かりました。私たちだけでは、今回導入したプッシュ型のデジタル校内配信システムを選ぶことはできなかったでしょう。」(興呂木先生)

機材導入後のメンテナンスやサポート対応についても、興呂木先生を始めとした日章学園高等学校の職員の方から喜びの声をいただきました。

「連絡や相談をすれば、リコージャパンの担当者がすぐに駆けつけてくれました。リコージャパンが常に寄り添ってくれていたので、自分たちの専門領域外の全く新しい取り組みであるにも関わらず、安心感を持ってプロジェクトを進めることができました。」(興呂木先生)

今後ICTを活用してさらに取り組みたいこと

今後は、ICTを活用して入学を希望する中学生や保護者の方に学校の魅力を発信していきたいと考えています。

「例えば、実習を行う際に近隣の中学校にも配信を行い、実際の授業の様子を体験してもらうことを考えています。そのほかにも、学校行事をパンフレットなどの文字媒体で伝えるだけでなく、映像としてリアルタイムに配信して疑似体験してもらうことなど、ICTを活用して実現していきたいことがいろいろあります。」(興呂木先生)

また、次の目標として家庭内学習の支援を掲げています。家庭内ネットワークの整備や学習支援ソフト(ロイロノート)の活用を通じて、「家庭学習の支援においても、ICT活用でなにかできないかと考えています」と興呂木先生は語っています。

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