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授業改革

2026.02.25

デジタル学習基盤における学習者主体の学びと教師の支援 「探究的な学びをどう進めるか」

目次

探究的な学び

探究的な学びは、課題解決を一度やって終わりというものではありません。探究的な学びでは、課題解決の過程を繰り返して精度を高める「螺旋型」の学びとなります。
課題の設定、情報の収集、整理・分析、まとめ・表現といった4段階のプロセスを繰り返しながら、学習の深化を進めていきます。
さらに、そのプロセスでは、デジタル学習基盤において、児童生徒がICTを学習ツールとして活用していきます。

課題の設定では、児童生徒が体験活動などを通して、課題を設定し、課題意識をもつようにします。
情報の収集では、必要な情報を取り出したり、収集したりしていきます。
整理・分析では、収集した情報を、整理したり分析したりして、思考を深めます。
最後のまとめ・表現では、気づきや発見、自分の考えをまとめ、表現していきます。
1、2時間程度の短い時間設定ではなく、数十時間の単元やユニットで構成され、それらの単元やユニットは、螺旋状につながりながら進んでいきます。その中で、児童生徒が自己の成長を感じられるようにすることが大切です。

文部科学省(2017)は、総合的な学習の時間での学習過程を、図4-1を用いて説明しています。
まず、日常生活や社会に目を向け、児童生徒が自ら課題を設定していきます。

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図4-1 探究的な学びのサイクル
(文部科学省 学習指導要領解説総則編から)

下の図は、築上町の総合的な学習の時間のカリキュラムです。総合的な学習の時間において、探究的な学びのサイクルを位置づけてあります。
スタート時は、教師が手厚く支援する1stサイクルで進めていきます。次の段階では、児童生徒に学びを少しずつ委ねていき、児童生徒の主体的な学びが進められるようにします。
この探究的な学びのサイクルは、行き来しながら回転していき、最終的には児童生徒が自走できることをめざしています。
カリキュラムでは、2つの視点が設けられています。
1つ目が、課題を見つける支援です。探究的な学びでは、児童生徒が自ら問題を発見することが重要です。自ら問題を見つけることは、容易ではありません。教師が問題発見をしっかりサポートして、探究的な学びを進められるようにします。
2つ目は、学習履歴(スタディログ)の活用です。児童生徒の探究的な学びでは、学習履歴をどのように記録させて、学びに活用させていくかが鍵となります。
このカリキュラムでは、教師が意図的に指導する内容はB系列として取り上げてあります。
例えば、これまでに地域で大切にされてきた学習や、これからの時代に必要とされるプログラミング教育など、児童生徒全員がしっかり身に付けてほしい内容を意図的に指導して、体験的に学ぶように計画されています。

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築上町の総合的な学習の時間のカリキュラム

下の図は、久喜市立砂原小学校の探究的な学びの学習計画図です。4年生の探究的な学びのサイクルを図式化したものです。
久喜市民が健康に暮らすために提案する内容を考えていくプロセスを、4段階の探究サイクルにおいて、児童生徒が考えていくようになっています。
この探究的な学びにおいて、児童生徒は試行錯誤しながら学習を進めていきます。当然、うまくいかないことが出てきて、一旦立ち戻って考えることがあります。
砂原小の学習計画は、最初から全てが完成しているわけではありません。
第1段階のサイクルを展開した後で、児童と相談しながら、次の探究サイクルを考えていきます。特に、次の問題をどう設定するかが、教師の支援となります。

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久喜市立砂原小学校の探究的な学びのサイクル

デジタル学習基盤と探究的な学び

下図は、探究的な学びの過程で、ICT活用をどのように位置づけられるかを示したものです。
まず、「課題の設定」です。体験活動や予備調査などを通して、児童生徒が自らテーマを見つけ、課題を設定していきます。この際に、社会や生活に関連のあるテーマを考えるようにしていきます。本物の学びとなるよう、「真正の課題」を考えるように支援していきます。この「真正の課題」については、後ほど説明します。
また、課題の設定では、事前体験を情報端末で撮影して記録し、クラウド上で共有します。例えば、Web会議等を用いて、遠隔地から外部講師が講話し、その内容から課題を見つけることも考えられます。

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図 探究的な学びのサイクルと関連するICTツール

次に、「情報の収集」です。
児童生徒が自らキーワードを考えて、Web上の情報を検索して、必要となる情報を収集します。また、専門家にメールを送信したり、SNS上での書き込みから必要な情報を収集したりするなど、収集する手段は多様化していきます。
さらに、クラウド上のアンケート機能を用いて、学校内外からの意見を分析することができます。これらは、教師が代理して実施することも可能ですが、できる限り児童生徒が自分の手で実施することが望まれます。

そして、「整理・分析」です。
図や表にまとめたり、思考ツールを用いて表現したりして、調査の結果や自分の考察を視覚化して分析を進め、自分の考えや提案内容を深めていきます。
自分で調査した結果を図や表に表現したり、思考ツールを用いてわかりやすくまとめたりして、自分の考えとその根拠を明らかにしていきます。
また、資料をまとめる際には、クラウドの共同編集機能を用いて、共同編集等の協働的な学びを進めていくようにします。クラウドの共同編集機能によって、より多くの協力者と一緒に編集や制作を進めることが可能となり、多面的な見方や考え方を共有することができます。

最後に、「まとめ・表現」となります。
ここでは、気づきや発見、自分の考えや提案したい内容をまとめ、相手にわかりやすく伝える工夫を行い、表現したり発信したりしていきます。プレゼンテーションやレポートにまとめたり、Web上に情報を公開したりするなど、自分の考えを広く発信するようにします。
児童生徒のニーズによっては、動画やプログラミング等で表現するなど、表現方法を工夫することも考えられます。

このように探究的な学びには、各段階において、ICT活用の位置づけを検討していますが、この探究的な学びは総合的な学習の時間を中心として展開されることが多く見られます。
その際、特に重要なことは総合的な学習の時間で育成する資質・能⼒を明確にした上で、学習活動を展開することだと言えます。
総合的な学習の時間でどのような資質・能⼒を育成するのか、総合的な学習の時間と各教科等との関連をどうするのかなど、学校全体で育てたい資質・能⼒に対応したカリキュラム・マネジメントが⾏われるようにすることが求められています。
さらには、総合的な学習の時間に限らず、その他の各教科等において探究的な学びを位置づけることは可能で、単元や学習場面に応じて、積極的に探究的な学びを位置づけていくことが求められています。
例えば、算数での「表とグラフ」の学びでは、地域のことを調査し、その結果をグラフ化するような場面が考えられます。

プロジェクト学習とは

児童生徒の自律した学びを支援するための方法として、プロジェクト型学習と呼ばれる学習方法があります。プロジェクト型学習は、PBL(Project Based Learning)と略されて、課題解決型学習とも呼ばれます。
PBLでは、学習テーマを1つの教科等の目標や内容に限定するのではなく、社会生活にもつながるテーマを「真正の課題(オーセンティック)」として取り上げます。
さらに、教科等の目標や内容を横断的に捉えて、プロジェクトの目標達成のために周囲と協力しながら取り組む学習方法といえます。
また、探究的な学びを通して、実社会や実生活から課題を見いだし、その課題を解決する学習であり、学習者が自分で方法を考えて、情報を集め、整理・分析して、まとめ表現する学習といえます。

課題解決の学習は、アメリカのデューイ(1859-1952)が探究的な学びのプロセスについて研究したのが始まりとされています。課題や問題に対して、何らかの行動を起こして実際に検証していく過程を位置づけています。
さらに、PBLProject Based Learning)は、キルパトリック(1871-1965)が提唱した「プロジェクト・メソッド」を起源とされており、現在のPBL学習につながっています。
キルパトリックは、「プロジェクト・メソッド」を、「学習者が現実の生活において達成される目的をもった活動」と定義して、目的設定から計画・遂行、評価の活動としています。 

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