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寄稿コラム

2023.03.28

「Beyond GIGA」教育DXの実現に必要な3つポイント

「Beyond GIGA」教育DXの実現に必要な3つポイント

GIGAスクール構想による学習環境を活用した授業実践を行うためには、児童生徒には「ICT活用学習力」と呼ぶべき資質・能力の育成が不可欠であるとも考えられます。

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目次

2022年度の寄稿コラムのテーマとして「児童生徒のICT活用学習力」1)を掲げてきました。
「教員のICT活用指導力」の視点を児童生徒に当てはめ、「GIGAスクール構想」という新たな学習環境のもとで児童生徒の「主体的・対話的で深い学び」を実現するためのキーワード、という想いも込め執筆してきました。
この連載をお読みいただき、資料をダウンロードし活用してくださった先生の目の前にいる子どもたちの中に、タイピングスキルの向上や、表計算ソフト・スライド作成ソフト・カメラ機能を活用し表現する姿が増えていたなら、とても嬉しく思います。
MEXCBTの問題開発に関わった経験からも、「児童生徒のICT活用学習力」は、これから益々必要となる資質・能力の一つだと考えています。
ぜひ、その育成について日々の授業で取り組みながら、今回のコラムの内容についても意識してみてください。

「教育の情報化」を発展させる「教育DX

今回はさらに先の姿「Beyond GIGA」の視点から提案してみます。
「教育DX」※2)という言葉は様々な場面で見聞きされていることでしょう。「デジタル技術とデータ」を活用して「新たな教育価値の創出」を目指す方向性として示され、従来から言われてきた「教育の情報化」を次世代型に発展させた姿と言えそうです。
もともと「DX」という考え方は企業活動を中心に広がってきたもので、情報技術の発展に伴う時代の変化に対して機敏に対応しながら、組織の変革による新たな価値の創出を求めていく動きのことです。
この流れを学校や教育行政にも取り入れ、学びの変革を促そうとする試みが各地で始まっています。
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図(a)教育DXの構造 ※文部科学省(※2)および経済産業省(※3)の資料を元に作図
※大きいサイズの画像ダウンロードはこちらから

「STEP1:デジタイゼーション(電子化)」については、GIGAスクール構想による全国的なICT環境の整備により、活用具合の濃淡はあるものの概ね到達できそうな状況でしょう。
この先の「STEP 2:デジタライゼーション(最適化)」「STEP3:デジタルトランスフォーメーション(新たな価値)」に進むためには、小さなトライアルの中で工夫や改善を繰り返しながら、得られた成果を周囲に広げていくことが求められています。

教育DXSTEP3「学習モデルの構造等が質的に変革し、新たな価値を創出」に必要な3つのポイント

「教育DX」の到達地点となる「STEP3」には「学習モデルの構造等が質的に変革し、新たな価値を創出」という目標が設定されています。
どのようなイメージが浮かぶでしょうか?変革・価値創出、ということですから、従来とは異なる「まだ見ぬ姿」のように感じてしまいそうですが、筆者が関わった過去の実証事業の中で同じような方向を意識していた例を手がかりに考えてみたいと思います。

筆者は、20182019年度に経済産業省の「未来の教室」という実証事業に「教育コーチ」として関わる機会を得ました。
舞台は「千代田区立麹町中学校」。当時の校長、工藤勇一先生による学校改革で注目を集めており、EdTechの活用を基盤とした「一人ひとり違うワクワクを核に、『知る』と『創る』が循環する、文理融合の学び」をコンセプトに「Learning Innovation」を目指した「未来の教室」事業でも、大きな期待を背負った学校の一つでした。
私の役割は「教育コーチ」として「AIドリル」「観光ビックデータ」を活用した新たな学びに関してアドバイスを行うもの。まだ見ぬ学びの姿を具体化しようと試行錯誤する先生や事業者の方々を支援しながら、成果と課題について考える日々を過ごしました。
その詳細は「ICT CONNCET21の報告書」(※4)にまとめられていますので割愛しますが、以下に示す「未来の教室」事象事業の中で発見した「3つの要素」は、「教育DX」でも共通するものだと感じています。

2019年度「学びと社会の連携促進事業(「未来の教室」(学びの場)創出事業)」「教育コーチによる実証事業支援」成果報告書より抜粋

教育コーチとして、麹町中学校における 2 年間の実証に関わる中で、個別最適化や教科横断型の学習活動 を 経て従来以上の学習体験や成果を生み出す「Learning Innovation」を実現するために必要と考えられる 「3つの要素」が浮かび上がってきた。

▼探究的な学習や PBLProject Based Learning)におけるプロセス
・学習活動、認知過程、認知次元、などに関する知識や理解
・単元設計や授業進行の検討と準備(シミュレーション、指導案作成、など)、改善
▼情報活用能力・ICT リテラシー
・情報活用能力(情報を集める、取り出す、分類・分析する、評価する、発信する、等)
ICT リテラシー(タイピング、検索、表計算、作図、ファイル管理、共有、発信、プログラミング、等) ※(学習環境の充実)が基盤となる
1 1 台の学習者用コンピュータ(キーボード、情報分析や構造化等に適した画面サイズ)
・高速かつ安定した情報通信ネットワーク
・教育クラウド環境(1 人1アカウント、情報共有、コミュニケーションツール等) ▼学習評価
・評価規準、評価方法の検討(主に、形成的な評価)、評価の実行と指導の改善

これらの要素が重なり合った領域に、「未来の教室」が指向した「Learning Innovation」が存在する。

その後4年が経過し、GIGAスクール構想による「1人1台の学習者用コンピュータ」「高速情報通信ネットワーク」の整備が進み、ICT環境的には進化しました。
しかしながら、「ICT環境」だけで学びが変わるわけではなく、この当時感じていたような「探究的な学習などのプロセス」に関する知識や理解、「学習評価」の再考と指導の改善、などがセットになってこそ、「新たな学びが生まれる」という見通しを共有し、小さな試みを繰り返しながら広げて行くことが、「教育DX」のSTEP3を目指す上でも重要になると考えています。
「この3つの要素」に昨今のAIの進化も考慮した視点などを加えて再整理した「教育DXの実現について必要な3つのポイント」ついて資料にまとめていますので、ダウンロードしてご覧ください。
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図b 「Beyond GIGA」教育DXの実現に必要な3つポイント
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AIの進化により「教育DX」は待ったなしの状況へ

昨年末にOpenAI社から発表された「ChatGPT」に代表される「LLMLargeLanguage Models:大量のテキストデータによりトレーニングされ文書等を生成する自然言語処理モデル)」の圧倒的な進化により、大きな変革期に入った「AI」。ユーザーの質問に対して、これまででは考えられない速度と精度で回答し、文献調査や文書作成の超効率化を実現することから、ユーザーの学習効率を飛躍的に高めることも期待されています。
また、試験問題の自動生成なども可能となり、これを実践に活用しようとする教育者も現れてきました。同時に、AIが試験の回答も可能な状況から、試験や評価の方法について再定義する必要性も指摘され始めるなど、AIによって影響を受ける分野の一つとして「教育分野」がクローズアップされています。
「知識・技能」を伝達する授業ではAIに太刀打ちできない。そういう時代が目前に迫っているかもしれません。
学習者もAIを使えるのであれば、教科書を超える知識や情報を短時間に得ることも可能になるでしょう。学習アシスタントとしてAIを活用するサービスも増加しそうです。
学校では知識・技能を活用する課題や場面を増やし、未知なる問題を解決する能力を育むような授業が一層求められるのではないでしょうか。
その過程で、教師の役割は「再定義」を余儀なくされるでしょう。教師の役割の「再定義」とは、「教育DX」のSTEP3「学習モデルの構造等が質的に変革し、新たな価値を創出」と考えることもできそうです。

AIの進化により「教育DX」は待ったなしの状況に入っています。まずは、教師も「AI」を体験することをお勧めします。ChatGPTなどを使って、何ができるのかを知ってみてください。
また、教師の仕事(単元計画や評価規準の作成等)をAIによって超効率化できるサービスも提供されています。(詳しくは、ダウンロード資料に記載しています。
「Beyond GIGA」教育DXの実現を目指す中では、時代の変化に柔軟に対応しながら、教師の役割を考え、教育実践の改善を続ける姿勢が求められているように思います。

そして、電子化、最適化、新たな価値の創出、という教育DXのステップの推進により教師の余力が増えると同時に、教師という仕事の価値がより高いものとして再認識される社会が到来することを願っています。

1 GIGA2年目以降のキーワード「児童生徒のICT活用学習力」
2 「教育DX・教育データ利活用について」(文部科学省_mextchannel) 
3「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会の中間報告書『DXレポート2(中間取りまとめ)』」(経済産業省)
42019年度経産省「未来の教室」創出事業 教育コーチによる実証事業支援報告書」(ICTCONNECT21

※本記事に掲載のその他の会社名および製品名、マークは各社の商号、商標または登録商標です。

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