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寄稿コラム

2024.03.04

Beyond GIGA〜教育DXへ Vol.4 GIGA端末の更新を見据えた「学習者用PC」の選び方。

GIGA端末の更新を見据えた「学習者用PC」の選び方。

株式会社NEL&M 田中 康平氏に「GIGA端末の更新を見据えた「学習者用PC」の選び方。」をご寄稿いただきました。本コラムの理解をより深めることが出来る資料をこちらからダウンロードいただけます。

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目次

今回のテーマは「GIGA端末の更新を見据えた『学習者用PC』の選び方」です。
地域や学校の実情に合わせて選定され、整備された「学習者用PC」が更新の時期を迎えています。
現在のOSを引き続き使用するのか、それとも変更するのか?一部の地域ではOSの選定を行う会議を実施しているケースもあります。
今後数年間にわたって最適な学習環境を整備するため、いくつかの視点から提案します。

GIGAスクール構想で整備された「学習者用PCの特徴」

GIGAスクール構想に関わってきた方はご存知の通り、各学校で整備・活用されている児童生徒一人1台の情報端末は「学習者用コンピュータ」と呼ばれ、整備の指針として「標準仕様書」(※1)が作成され、3つのOS(Microsoft Windows 10 Pro、Google Chrome OS、iPad OS)それぞれの機能や要件が提示されました。
各OSごとにコンピュータの構成や機能に違いはありますが、「カメラ」「キーボード」「無線LAN通信」という3つの共通要件が設定されています。
これらの機能は同じように見えますが、「カメラ」と「キーボード」はモデルによって異なり、使用感に大きく影響します。

【キーボード】
どのOSを選んでも、物理的なキーボードを使って入力操作を習得できることが必要です。
これは、小学校での学習指導要領に準じ、「児童がコンピュータで文字を入力するなどの基本操作を習得するための学習活動」に不可欠です。
MEXCBTでの文字入力による回答操作でも利用されています。
キーボードの形状や打鍵感はOSのモデルによって異なるため、児童生徒がタッチタイピングのスキルを身につけるためには、実際に試し打ちしてみることを推奨します。

【カメラ(インカメラ・アウトカメラ)】
学習活動における写真や動画の撮影や、QRコードの読み取りが可能であることが求められます。
モデルにより、カメラの性能(=写りの鮮明さ)やカメラ位置に違いがあります。「ピントが合いにくい」「画像が鮮明でない」といった問題もありますので、以前整備したGIGA端末のカメラと他モデルとを比較することをお勧めします。

「【児童生徒のICTリテラシー】チェックリスト」から考える

前回のコラムで紹介した「【児童生徒のICTリテラシー】チェックリスト」(※2)を活用していただくと、短時間で【児童生徒のICTリテラシー】を把握することができます。
この中で例えば「タイピング関連」の中に

小学校3・4年生:ホームポジションによるローマ字入力ができる、1分あたり50文字程度入力することができる
小学校5・6年生~中学生:PCでの正確かつ高速な文字入力ができる(目安:1分間に80~100文字以上)

という項目があります。
高いハードルのように感じるかもしれませんが、私の経験上、ホームポジションによるタッチ・タイピングを習得していれば、多くの児童生徒が十分到達できる目安だと考えています。
この部分が不十分であれば、次回のGIGA端末整備では「キーボードの形状や打鍵感(キーの押しやすさ。連続での打鍵のしやすさ。)も学習者用PCの選定ポイントにあげてみてください。
また、「読解関連」の中に

小学校5・6年生~中学生:複数の情報源の比較・分析ができる、図やグラフを含む資料(例:新聞、ポスターなど)を作成できる

という項目があります。
この部分にチェックができない状況であれば「画面サイズ」が小さいために複数のウインドウやアプリを並べて比較をしたり、複数の情報を組み合わせて表現することが難しい環境になっているかもしれません。
「画面サイズが大きい」ということも、学習者用PCの選定ポイントとして有効だと考えられます。

「学習者用PC」だけで十分なのか?学習者のICT環境全体をデザインする視点。

実際の授業では「学習者用PC」を単体で利用するのではなく、様々な学習ツールを活用しながら個別や協働的な学びを行き来するような学習活動が展開されているはずです。
その結果、学力が向上することを期待して「学習者用PC」の整備・活用が推進されていると考えると「どのような学習活動を支援したり発展させると学力向上が期待できるのか?」という視点が重要になるでしょう。

図1(※3)は、令和5年度に実施された「全国学力・学習状況調査」の結果資料として公表されている「相関係数(学校質問紙—教科)」の上位項目から、学習活動に関連するものを抜粋した表です。

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図1「全国学力・学習状況調査_学校質問-教科の相関係数」「国立教育政策研究所_令和5年度全国学力・学習状況調査報告書・調査結果資料」を元に筆者作図

これを見ると「主体的・対話的な学び」の姿や「言語能力・情報活用能力」を育むような学習活動に正の相関が見られます。
この傾向は小学校・中学校で共通しており、令和4年度でも同様です。
ということは、こうした学びが充実することが「深い学び→学力向上」に寄与する可能性があると考えることができ、「学習者用PC」を上手く活用して主体的・対話的な学びを拡充し、試行錯誤や表現の機会の増加や多様化させることで、より一層の学力向上が期待できそうです。
「学習者用PC」を活用している中で「主体的・対話的な学び」の姿が少ないな、と感じている自治体では、教育クラウドを含む学習ツールの変更によって、促進できる可能性も考えられます。
共同編集や情報共有がスムーズに行えていない、といったケースでは、「主体的・対話的な学びの支援や充実につながりやすい教育クラウド・学習ツール」という視点も選定のポイントに挙げてみてはいかがでしょうか。
同時に、それらを含む各種の管理方法や年次更新作業の工数などを含む総合的な視点から、より良い学習者用PCの選定が進むことを願っています。

※1 「GIGAスクール構想の実現_標準仕様書」文部科学省(2020)
※2「教育DXのための「児童生徒のICTリテラシー」RICOH学びの共創室(2023)
※3「令和5年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料」4.質問紙調査の結果_(3)相関係数、クロス集計_相関係数(学校質問紙-教科(学校平均)全国【表】 国立教育政策研究所(2023)

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