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寄稿コラム

2022.01.13

学ぶ→できる・できた! ~学びのゴールが変わった!大人にも知って欲しい新しい学びと評価~

目次

前回のコラムでは、新しい学習指導要領によって各教科の中に散りばめられた「コンピュータのある学び」について紹介しました。今回は、もう少し掘り下げて「学びのゴールが変わった!」ということを共有したいと思います。

新学習指導要領で示された資質・能力の三つの柱

・実際の社会や生活で生きて働く「知識及び技能」
・未知の状況にも対応できる「思考力、判断力、表現力」など
・「学んだことを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力、人間性」など

この先にあるものは、「何ができるようになるか?」という、生活や社会やのために学んだことを生かそうとする子どもたちの姿です。
テストや入試のためだけに学ばなければならない、という「やらされ感」が強めのものではなく、主体的に学び、それを生かす方法などを身につけていくことが必要とされています。

学習評価が変わる

私たち大人世代にとっての「学ぶ」イメージは「学ぶ=わかる・わかった!」というもかもしれませんが、新学習指導要領では、「学ぶ=できる・できた!」という姿を求めていくことになります。
求める姿が変わるということは、「学習評価が変わる」ということを意味しています。どれだけの知識を覚えているのか?それらを使って試験問題を解くことができるか?に重点が置かれていたであろう旧来の評価方法だけではなく、

どのようにして知識・技能を活用できるだろうか?
どのような思考を働かせているだろうか?
自分の想いや考えを、どのように表現しているだろうか?
主体性を持って学びに向き合っているだろうか?
学びを調整したり改善しているだろうか?

といった視点から、教師は子どもたちを観察し、様々な学習活動の様子から「何ができるようになっているだろうか?」という学びのプロセスを評価する「形成的評価」などにも取り組み、学習評価の場面や方法を工夫し、指導・授業の改善に生かしていく「指導と評価の一体化」を図ることが求められています。(※1)

資質・能力の育成を支えるGIGAスクール構想

当然、このプロセスでは、学習の基盤となる資質能力である「言語能力」「情報活用能力(情報モラルを含む)」「問題発見・解決能力等」を育成する場面が含まれ、GIGAスクール構想で整備された「学習者用コンピュータ」を代表とするICT環境が教師や子どもたちを支援します。
資質・能力の育成を加速させ、高めていくためには、日々の学習活動の中でICTを活用することが大切です。
その積み重ねによりICTを流暢に使いこなすことができるようになれば、これまで実現できなかったような学習活動が展開され、学びの価値をより一層引き上げることが可能になるはずです。
そのためには、場面や時間や機能を限定した断片的なICT活用ではなく、単元などの学びのプロセスに溶け込んだ継続的で総合的なICT活用とともに、形成的評価などの学習評価の工夫による指導の改善が期待されます。
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ソフトの使い方を教えあう児童

新学習指導要領に込められた思い

新学習指導要領によって、学習活動、学習評価、学習環境が変わっています。文部科学省の「学習指導要領」に関するWebサイトや資料を読まれ人は、目にしたことがあると思いますが、「新学習指導要領に込められた思い」として、

学校で学んだことが,子供たちの「生きる力」となって、明日に、そしてその先の人生につながってほしい。
これからの社会が、どんなに変化して予測困難な時代になっても、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、判断して行動し、それぞれに思い描く幸せを実現してほしい。(※2)

という文が書かれています。
学校のテストや入試のために勉強する、という直近のゴールだけではなく、その後の人生や社会をより良くしていくという大きくて広いゴールが描かれています。
そのゴールは一人一人違うはずです。大学に行かないから勉強しなくてもよい。学校の勉強など社会で役に立たない。勉強しなくても生きていける。などの考えがあるとしたら、私はとても勿体ないとことだと思います。
たしかに、旧来の学習でよく見られた、どれだけ覚えたか、たくさん覚えろ、という記憶中心の学びだけでは、苦しいことも多かった記憶が思い出されますが、「学ぶ=できる・できた!」という実感を伴う体験的な学びはとても楽しく、自己肯定感にもつながる非常に有意義なものです。

「学びのゴールが変わった」大人世代も、新しい学びについて理解を深め、新しい試みにチャレンジしている学校、教師、子どもたちを、一緒に応援していきましょう。

追伸
GIGAスクール構想で整備された学習者用コンピュータは活躍しているでしょうか?保管庫に収納される時間が長くなってしまうケースも耳にしますが、その背景にインターネット利用に関するトラブルなどが存在する場合は、ぜひ第2回のコラム「子どもたちがICTを安心安全に利用するために -教育情報セキュリティポリシーに関する問題点と策定方法-」や、第3回のコラム「『無知では済まない落とし穴』サイバー犯罪関係法令の概要と、学校での対応」をお読みいただき、学校内、子どもたち、保護者の方々とICTの安全な活用に関する注意点などを共有してください。
その他にも、これからの学びを支える教育理論「デジタル・タキソノミー」や、子どもたちに身につけてもらいたい「ICTリテラシー」、簡単なICT活用で育む「学びのスキル」などの寄稿も予定しています。GIGAスクール構想の発展の一助となりましたら幸いです。

※1 「「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料」等(国立教育施策研究所)
※2「学習指導要領」(文部科学省)

※本資料に掲載のその他の会社名および製品名、ロゴマークは各社の商号、商標または登録商標です。

筆者

株式会社NEL&M(ネル・アンド・エム) 代表取締役/ICTスクールNEL 校長 田中 康平 氏

・教育情報化コーディネータ 1級(2018年認定 ※国内5人目)
【委員等】
・国立教育政策研究所「全国学力・学習状況調査のCBT化に向けた試行・検証のためのCBT問題開発に係る調査研究検討委員」(2021年度)
・経済産業省「未来の教室実証事業」教育コーチ(2018~2019年度:麹町中学校担当)
・佐賀県教育委員会 ICT利活用教育推進に関する事業改善検討委員(2015~2019年度)

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