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寄稿コラム

2022.04.08

誰でもできる! 〜簡単なICT活用で育む学びのスキル〜

目次

前回のコラム「ICT環境を高次の学びに活かす〜1人1台時代の大型提示装置の役割〜」では、ICT機器の「大型提示装置」の活用について解説をしました。今回は、同じくICT機器の「カメラ・カメラ機能」について解説をしていきます。

「ICT機器が活用しきれていない」という課題

GIGAスクール構想により整備された1人1台の学習者用コンピュータ。日々活用し、先生も子どもたちも一緒にスキルアップしている学校・学級が増えてきたのではないでしょうか。
一方で、様々な理由から、日常的な活用がなかなか進まないケースもあるようです。
こうした、ICT活用の課題を改善する方策の一つとして、文部科学省は「GIGAスクール運営支援センター」の設置・運営に関する予算を確保し、自治体の取り組みを支援しています。これにより、ネットワーク接続や機器の管理・運用などの課題の解決が期待されています。
自治体単位や自治体と連携した広域での取り組みと同時に、学校現場ですぐに取り組むことができる容易な方法の提案や共有も有効だと思われます。
今回は後者をイメージして、「簡単なICT活用」の中でも「カメラ機能」を中心に、子どもたちの学びのスキルをアップする方法を紹介します。

「カメラ機能」で撮影した写真や動画を振り返る→「知識の記憶や技能などの理解」という学びのスキルを育む

学習者用コンピュータで最も活用されている機能の一つである「カメラ機能」
写真や動画の撮影は、多くの児童生徒がいち早く習得しやすい定番の操作です。
この簡単なICT活用とセットで意識しておきたいのが、「カメラ機能の活用が、どのような学びのスキルを育むことにつながるのか?」という視点です。
写真や動画を撮影して「学習内容を振り返る」という学習活動を、デジタル・タキソノミーの認知次元に照らしてみると、「記憶する・理解する」という部分に該当します。
デジタル・タキソノミーについて詳しくは知りたい方は、コラム記事「1人1台の学びを観察する視点〜デジタル・タキソノミーとは?〜」を参照ください。

記憶や理解を促すための行動としては、「書く、読む(音読・暗唱)、下線を引く、繰り返す、視覚化する」というものが挙げられます。
写真や動画を撮影して終わりではなく、振り返る活動をセットにすることで、「記憶する・理解する」をサポートしてくれます。

このことを、ICT側からではなく学習面から見てみると「知識の記憶や技能などの理解を促すという目的のために、写真や動画を撮影して振り返る」と捉えることもできます。

撮影した写真や動画を使って説明する→「知識の記憶や技能の理解や応用」という学びのスキルを育む

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次に、写真や動画に記録された情景や情報について「他者に説明する」という学習活動に取り組んでみましょう。
「説明する」場面では、「対象に含まれる知識(情報)を組み合わせて、その状態を分かりやすく伝える」ということが求められます。
名称など単体の知識だけではなく、それらを相互に関連づけた概念を用いながら、自分自身が理解している状況を表現(アウトプット)しようとする姿が見られることでしょう。
さらに「実験、実技、演奏などの方法を考え、実行した後にその様子を記録した写真や動画を用いて、過程や結果について説明する」という学習活動であれば、「知識や技能を応用する」と捉えることができます。
「説明する」場面では特に「教科の特質に応じた見方・考え方を働かせながら、言葉にしているか?」という部分を意識しておきましょう。そのことが、アウトプットの質をより高めてくれるはずです。
ICT側からではなく、学習面から見てみると、「知識の記憶や技能の理解や応用」という目的のために「写真や動画を使って説明する」と考えられます。
ICT活用の高度さよりも、学習目標の視点を重視して、ICT活用の効果を整理してみることもお勧めします。

「もっと高度なICT活用方法を身につけたい」と思ったら...

写真や動画をスライド資料に挿入して、大型提示装置で投影しながら説明する「プレゼンテーション」を行うこともあると思います。
この時、ICTの操作に凝り過ぎてしまうと、学習内容よりもソフトの操作に意識が向き、操作方法は習得できたけれど学習内容の理解が深まらない、という望ましくない結果に陥る場合があります。
認知能力や思考力も成長し、様々な経験の上で目的に応じたICT活用を選択したり組み合わせることができる大人と違い、発達過程にある子どもたちでは、同じ操作を行っても、結果が異なる場合があります。この点は、十分な留意が必要でしょう。
「もっと高度なICT活用方法」を身につけて、子どもたちのICTスキルの習得状況に応じた支援を行うために、スキルの引き出しを増やすことは、とても有意義なことです。
そのためには、GIGAスクール構想以降に数多く出版されている書籍を手にしてみたり、オフィス系ソフトであれば、基本操作のガイドブックを片手にスキルアップに励んでみるのも良いでしょう。

子どもたちのICT活用の経験に比例して、学びのスキルが育まれていけば、より高度なICT活用にトライし、これまでの枠を超えた豊かで発展的な学びの姿を見つけることができるかもしれません。
まずは「簡単なICT活用」と、育むことができる学びのスキルが共有され、どの学校・学級でも日常的にICTが活用されることを願っています。

筆者

株式会社NEL&M(ネル・アンド・エム) 代表取締役/ICTスクールNEL 校長 田中 康平 氏

・教育情報化コーディネータ 1級(2018年認定 ※国内5人目)
【委員等】
・国立教育政策研究所「全国学力・学習状況調査のCBT化に向けた試行・検証のためのCBT問題開発に係る調査研究検討委員」(2021年度)
・経済産業省「未来の教室実証事業」教育コーチ(2018~2019年度:麹町中学校担当)
・佐賀県教育委員会 ICT利活用教育推進に関する事業改善検討委員(2015~2019年度)

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